もしも、これが小説ならば

俺は殺人を犯した
そして推理小説の様に探偵が現れ、次々と謎を解き犯人を特定した
そして居間に集められた。
これで俺も終わりだ...
ああ

...よって貴方が犯人だ。違いますか?宮下さん」

哀れな事に、有無を言わさない完璧な推理で別の奴が犯人として逮捕された

Kurt Meyer
- 1 -

違う、小説なら探偵が犯人を間違えるなんてあるはずがない、あってはいけない。
しかし、俺は今小説を呼んでいる訳ではない。

宮下と呼ばれた男は愕然としている。
そりゃそうだ、何故か辻褄が合う推理、出そろっている証拠。おかしな話だ。
(犯人が言うか?)

「ち、違うっ!オレじゃない!」
宮下が叫ぶ。

「この期に及んで何を言うかッ!」
ギャラリーも叫ぶ。

「・ ・ ・」
俺は、どうすれば…

椿榎 楸柊
- 2 -

と、とりあえずはラッキーと捉えるべきじゃないか?
もうダメだと思っていたのにこの展開はかなり俺ついてるだろう。つき過ぎてるだろう。そうだもうそう思う他ない。
宮下には大変、いや非常に罪悪感が半端ないが、背に腹は変えられない。
俺はこのまま傍観者を貫く。

「オレじゃない、信じてくれ!!」
「じゃあ一体誰が犯人だと言うんだ!」
「真鍋さんが犯人だと思う!!」

嘘だろ。指を突きつけられた。

大空 雪那
- 3 -

「言いがかりはよしてくださいよ!」

と、叫んで探偵の顔を見る。

「そうです、宮下さん。無駄なあがきは懲役を長くするだけですよ」
「ぐっ…で、でもオレ…」
「まだ言うか!真鍋さんに謝りなさい!」

よ。よかった〜!アホな探偵でよかった〜〜!
突発的な犯行だったが、こんなにうまくいくとはな。

と、ここでギャラリーの一人が声をあげた。

「でもぉ、たしかに真鍋さん、被害者のこと恨んでましたよね?」

kam
- 4 -

ちっ…ばれたか。いや、こいつも見た感じアホそうな面してるし、ロクに推理もできなさそうだな。

「なに、黙り込んじゃってぇ。もしかして図星ぃ?」

はん、そんなにいうならテメェの推理聞かせてもらおうか。まともな話を聞けるとは思わんがな。

「そうかぁ。僕を信用してないんだねぇ」

そういうとその少年はメガネをクイッとあげると急に早口になって喋り出した。

Luon
- 5 -

とぅるとぅ〜とぅ〜
とぅるとぅ〜とぅ〜とぅッとぅ〜〜
とぅるとぅるとぅ〜とぅるとぅ〜る〜とぅッとぅ〜

おきまりのBGMをバックに
見た目は子供、頭脳は大人なあいつと
見間違うくらい、少年はキレのいい推理を
展開していった。

が、犯人が俺ということ以外
全くなんにも当たってはいなかった。

emi
- 6 -

宮下が顔を青くして探偵に食い下がっている。

「あんた探偵なんだろ⁉︎こんな茶番終わりにして考え直してくれよ!」

その言葉に探偵はムッとしたようだ。

「では宮下さん、あなたこそ私を納得させてみてください。私の推理に矛盾はない。ならあなたがそれを覆せば良いのです!」

ムキになってる。茶番なんて言われたら仕方ないか。

一方の宮下は血相を変えてブツブツ何か言っていた。ホントにやるの?

Joi
- 7 -

息を飲んで宮下の言葉を待つ。居間を満たす緊迫した空気は、宮下の顔色をじっと見つめる俺の肺にまで浸食し、心臓を冷たく炙った。その瞬間、玄関の扉が勢いよく開かれる音。
「見つけたぞ、今日という今日は逃がさねえ」
鼻息荒くトレンチコートを翻しやってきた大男は、内ポケットから取り出した警察手帳を掲げる。睨む先には、顔を真っ青にした名探偵。
「これが年貢の納め時。これ以上俺のシマ荒らさないでもらおうか」

luna
- 8 -

「偽探偵?」
「奴は無断で探偵を名乗り、現場を荒らす常習犯なのさ。推理小説の弊害だよ。そもそも探偵に捜査権はない。奴の推理は無効だ」
「なんだって?」
俺は探偵の推理のおかげで疑惑から遠ざかっていた。
「俺の見立てでは、今回の犯行は突発的なものだ。奴の推理は筋が通っているが、作り物みたく整いすぎている。正しい現場検証の下、新たな証拠が見つかるだろう」
なぜか、警察が俺と視線を合わせようとしてくる。

aoto'
- 完 -

novelnoveは
9人でひとつの
ストーリーを完成させる
参加型小説アプリです。